槍ヶ岳 2014.0504 晴れ後曇り 単独
朝目覚めたのは3時台でした。

風の音を聞くと外は相当な風のようです。

「明るくなるまで寝ていよう。」
 
「まだガスっていたら、ちゃんと降りれるだろうか?」

「靴かわいたかな?」

「目が覚めちゃった。」

「さあ準備するか」

昨日のうちに整頓しておいたので準備はすぐにできました。

でも腰が痛くて、重い荷物が恨めしいです。
玄関に行くと槍が見えます。
それでもこの時点で、穂先に行く意思は全くありませんでした。
下から上がってくる登山者を見て
何とか降りられそうと安堵しました。
浅間山が雲に浮かんでいます。
常念も今の時期に登るのはきついんだろうな。
八ヶ岳も雲に浮かんでいる。

「すごーい。」

「山頂に人がいる。」

「ご来光見たのかなあ!」

「前来たときとはレベルが違いそうだなあ。」
笠が岳も見えたし・・・
白山も見えたし・・・
乗鞍も見えたし・・・
富士山も見えたし・・・
「さあ、ザックかついで帰るぞ。」
黒部五郎も見たし・・・(手前、双六岳三俣蓮華岳)
薬師も見たし・・・
さあ、帰るぞ!
あそこチームにくっついて降りようか?
(下山するつもりの私)












「あっ!これから登る人がいる。」

「行けるところまで行ってみよう。」
(登る気になった私)





「2005年の時はスキー兼用靴で上がれたけど・・・」




「今日は危ないぞ」





「ピッケルは飾りじゃなくて命綱だ。」

「ピッケルなしじゃ、一歩も上がれない。」


今までピッケルを使ったことはありましたが、
今日は垂直に近く、
さらに凍りついているところもあります。

怪しい刺さり具合の時には、
もう一度打ち込み、
足のアイゼンの爪を突き立て
一歩ずつ上がっていきます。



「帰りの方が怖いんじゃないか?」
ふと、そのことに気づき怖くなりましたが、
今そこから降りる気はしません。

バックで降りるわけですから視界が限定され
怖いに決まっているでしょうね。(笑)

もちろん写真を撮る余裕なんてありません。
そんなことをしていたら怒鳴られるでしょう。

「命がけ」という言葉がありますが、
まさにその心境でした。
「あの階段を登れば・・・」



「やった!」

山頂は僕の他には一人だけ。
前穂、奥穂、ロバの耳、ジャンダルム
最高のロケーションです。
乗鞍の女性的な曲線も美しいです。
笠ヶ岳 さっきとそんなに変わらないか。
黒部五郎
奥が薬師で、手前が鷲羽かな?
奥が立山
白馬、鹿島槍方面

こちらの方面は、槍の肩では見えなかったなあ。
白馬、唐松、蓮華、五竜、鹿島槍方面アップ
雪に埋まる槍ヶ岳山荘。
この距離でこの角度。
いかに峻峰であるかがわかる。
上から登山者を撮ると・・・
この怖さが伝わるでしょうか?
西鎌尾根を撮ってみました。
北鎌です。
夏なら登る技量が私にあるでしょうか?
水晶?
立山アップ
常念が目覚めました。
こんな格好で登っています。
槍の看板は、なぜあの風で飛んで行かないのか不思議です。
だんだんと細かいところに目が行くようになり・・・
錫杖を探してみました。
ここではないかと・・・
双耳峰だし。
穂高はスーパースターです。
続々と上がってきます。
そうです。
ヘルメットも持ってくるべきでした。
(槍ヶ岳山荘で貸出しています。)
もうこれで思い残すことはありません。
もうそろそろ降りないと。

穂先からの下山は、
やっぱり登りより大変でした。

登ってくる人とすれ違ったり、
上から降りてくる人の雪が落ちてきたり、・・・

人が落ちてきたら一巻の終わりです。

こんな難しい登山になるとのは想定外でした。

また登りたいとは思いません。

この日
登らないというのも良い選択だったと思いますし、
登って景色が堪能できたのも良い選択でした。

無事に帰ることができれば
良い経験を積めたと言えます。
さあ、僕も降りましょう。
その前にご褒美の抹茶ロール。
朝食を頼まなくて良かった。

実はこの頃やっと確信しましたが、
軽い高山病にかかっていました。
あまり食欲もないし、
頭も少し痛いし、
風邪ではないようです。
今回、こいのぼりをお供に連れています。
最初の傾斜はなかなか急です。
昨日は竿がぎりぎり見えたくらいだったのに・・・
みんな必死になって登り降りしています。
だって文字通り、落ちたら「必死」ですから。
もうそろそろお別れしましょう。
ボードで降りる人も、
スキーで降りる人も
お疲れ様。
みなさん無事に家まで帰りましょう。
常念が前山に沈んでいきます。
ババ平辺りで女性と話しながら歩きました。
2日前に上高地から一気に登れちゃったので
槍ヶ岳山荘で2泊したそうです。
ヘルメットもワカンも付けているから山慣れた方でしょう。
槍沢ロッジについてびっくり!
アイゼンのピンが外れてなくなっていました。
穂先の登頂の時でなくて良かったです。
あのときだったら
ぞっとします。
留め金が見つかりませんでした。
落としてきたようです。
槍見河原では、背景が白くなってきました。
今日は違う人がビラ配りしていました。
調べたら名越氏はかなり有名な方でした。
昨年涸沢に行ったときに気になったTシャツを購入しました。
XLはないそうで、
「Lも結構大きいですよ」
と言われましたが
(大丈夫かな?)
着れなかったら、
読者プレゼントか必死のダイエットだな。
お猿さんがいました。
背景がさらに白くなってきました。
上高地に着いて、すぐに家に電話をしました。
妻はちょうどスーパーにいて
「手巻き寿司にするから、あんまり食べてきちゃだめだ。」
だって。
徳澤でyakoさんおすすめ野沢菜チャーハンを我慢して良かった。
アカンダナ行きのバスには
「お一人の方ー!」
と呼ばれ、すぐに乗れました。

高速は多少渋滞していましたが、
無事帰ることができました。

槍沢ロッジで槍ヶ岳ワインを買って、
家で余韻を楽しもうかと思いましたが、
やっぱビールで乾杯でしょう。

お疲れ様でした。
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