燧ケ岳  尾瀬の山 2014.08.14 曇り 単独
日本百名山一筆書きを目指す 田中陽希
8月13日
自宅08:30→昼食梓川SA→新潟の海16時ごろ→奥只見シルバーライン17:30→桧枝岐村20:00
岡谷ジャンクション手前で事故渋滞にはまりました。
これで身が引き締まりました。
人力のみで百名山踏破を目指す田中陽希氏の存在を知り、
BSプレミアムの「グレートトラバース」という番組を見て
本人に会いたくてたまらなくなりました。
海を見ると岐阜県人はテンションが上がる!
陽希(あえて呼び捨て)は100名山を登るだけでだけでなく、
山と山の間は走る。
島と島の間はカヌーで渡る。
動力を使わないのです。
プロのアドベンチャーレーサーだからできるのであって
(いや、プロでも誰もそんなことトライした人はいない。前人未到の計画)
私には辛そうに見えるが、陽希はそれを楽しみたいと言う。
(だから番組になるのでもあるが・・・)
奥只見シルバーラインのことがよくわかっていませんでした。
325号線を使うつもりであったが、
シルバーラインが無料ということで
あまり考えなしに行くと
トンネルのオンパレード!
間違えて奥只見ダムまで走ってしまいました。
つまり、ダムを作るための山中道路だったのです。
途中に直角に曲がって銀山平へ抜ける交差点があるのを見落としました。
トンネル内で霧が発生するという特殊な部類の道路を体験できました。
ただしこの後のダム湖畔の325号はカーブの連続でうんざり!
明るいうちに銀山平までは行けたのが救いでした!
私は陽希に魅せられ応援したくなりました。
テレビ上の人物で終わらせたくなくなりました。
今この瞬間も、彼が百名山踏破のために
てくてく頑張っていると思うと
一声掛けたいと思ったのです。
また、「会えば何か感じるものがあるのではないか」と考え
自分の日程と彼の日程を考慮し、
会えるのは『会津駒ヶ岳』と踏みました。
中堂島公園前の空き地で車中泊(翌日の写真)
新潟県から福島入りをしたのにはわけがあります。
以前に尾瀬に行ったときのコースがこのコースであって、良い印象が残っていたこと。
お盆の渋滞を避けること。
結果的には事故渋滞にはままりましたが
この後の事故に対する注意喚起になったから良しとしましょう。
宿泊予定地の桧枝岐村には、もう暗くなっていたこともあり
宿泊適地を見つけることができませんでした。
燧の湯か駒の湯あるいはアルザの湯に入って、
トイレを済ませておけばどこでも寝れそうなところはありますが、
風呂の営業時間に間に合いませんでした。
新潟のコンビニで買っておいた、お寿司ふたつを食べて、
ちゃんと歯を磨いて20時に就寝しました。
8月14日4時起床予定が15分くらい遅れました。
昨晩、妻から陽希が至仏山登頂を果たしたと情報を得ていました。

彼はもともと燧ヶ岳と会津駒ケ岳をセットで登るという超人的な計画を立てていました。
百名山を目指している人は
ふつう至仏と燧をセットにして考えます。
「電話の電波の状況が悪かっただけで、
本当は燧もすでに登ってしまっているのではないか」
とも考え昨夜はずいぶん迷いましたが
燧も結構時間を食う山です。
「福島県に入りました」という陽希のメールの時間が午後2時30分。
「うーん、彼ならそれから燧まで行ってしまうのかな?」
「御池ロッジに泊まって会津駒かも・・・」
逡巡した末に

「まあ、会えなくても、会おうとしてこの地まで来たことが大事」
と開き直ることにしました。

御池の駐車場は、1回1000円。
普通の私なら避けたい出費ですが、今日は奮発しましょう。
登山口は駐車場の最奥です。
以前の記憶はすっ飛んでいまして
バス会社の人に聞いてわかりました。
少し降りていくと、すぐに左折が燧という標識に出会います。
まっすぐ行くと「見晴らし」に続く木道なので見落とさなくて良かったです。
尾瀬の歌にある水芭蕉は、今やお化け葉っぱになっています。
超巨大で、はながさいているときの品の良さはいずこへ・・・
(太ったおばさんも昔はうら若き乙女だった・・・て感じ)
感じの悪い比喩かな。
木の階段が終わると
ねっちょねちょ
ぐっちょぐちょのぬかるみを上がることになりました。
尾瀬らしい風景が出てきました。
広沢田代をキンコウカの花が埋め尽くしています。
田代。
すなわち田圃ということですね。
赤い色はモウセンゴケでしょう。
数え切れない花々。
前来た時は山は一切登らず、尾瀬ヶ原と尾瀬沼周回でしたから
こうした景色を見られて今日は今日で得した気分です。
空に青いところがあり、降らないだけでも恩の字なのに。
うれしさこの上なしです。
さっきの広沢田代からもうこんなに上がりました。
次の田代でガッツポーズ。
ここはまさに田植え状態ですね。
ここを降りると・・・
熊沢田代です。
ここはまさに別天地です。
ここにしかない景色、雰囲気を持っています。
クマモンは人気です。
自己主張のないところがさわやかなっしー???
振り返ると・・・
温泉小屋を目指す旅人が歩いてきてます。
いいところなので写真を撮っていただきました。
さらに登って振り返ると
ランチパックを食べたベンチが見えます。
あんなところで食べたらおいしいに決まってます。
さらに登ると木道が傾いています。
駐車料金とってるんだから直してくださいよ。
写真を撮ってくださった方はまだ休まれてます。
それが正しい。
こんな良いところはなかなかありませんから。
岩ごろごろ地帯を通過したり、
笹でズボンを濡らしたり、
ゆがんだ木道で荒れ地を通過したり、
もう9合目か・・・・
なんて言ってると
着いたぞ!俎嵓。

でも、陽希とは出会えなかった・・・
やっぱり今日は御池ロッジ出発だったのかな・・・

まあいいや、尾瀬沼も見えたし・・・すぐにガスで隠れたけど
まあいいや・・・尾瀬ヶ原見えたし・・・すぐにガスに隠れてしまうが・・・


頂上で話をしていたら
となりの柴安嵓の方が10m高いことがわかりました。
そして陽希に5分前にここであったという人が・・・

僕は会津駒ケ岳に上るつもりで
燧の地形がよくわかっていませんでした。
陽希は別の道で降りてしまったのでしょうか?
百名山の本をザックから取り出してみますが
柴安嵓は袋小路でここに戻ってくるようです。
隣のピークの黄色い服が並々ならぬオーラを発揮しています。
陽希に違いありません。

でもへたに会いに行くと
「彼は下山開始して、登山道ですれ違うことになるかも・・・」
「ここに残って待とう」
とパンを食べながら待ちますが
NHKは柴安嵓を頂上として時間を取って撮影しているようで
なかなか動きがありません。
もう、待ってなんかいられません。
山をプチ陽希となって駆け下り
そして駆け上がります。


「よ・う・き・さ・ん?」

「はい!」

彼は空中を見つめています。
マルチヘリでの撮影中です。
邪魔はしたくないので
岩陰に身をひそめました。
陽希は撮影のために微動だにしませんので
シャッターチャンスでもありました。
「岐阜から会いに来ました!
写真一緒に撮ってもらっていいですか?」
カメラを先ほど話した若者(なんと彼は草履で登っていた。鼻緒の付いた草履である)にお願いし
陽希に
「ハグしてください」と抱きついた。
(かわいそうに)
「応援してます!エネルギーもらいました!」
「頑張って!気を付けて」
気の利いたことも言えず
彼を見送ろうとしたら、
彼は、私が放り出したストックを拾って渡してくれました。
ぼくは、彼がさっきまで僕がいたピークにたどり着く様子をずっと見ていました。
涙が溜まった眼で・・・
なんの涙なんだろう・・・
僕のアイドルに会えたから・・・

ちがうなあ・・・

その姿が美しいから・・・
彼は二枚目ではないが
志が強く、美しい。
鍛え上げた身体から、
「挑戦することは苦しいけど楽しい!」
と電波を発信し続けている。
それに共感する者には
トム・クルーズよりカッコよく見えるのだ!
尾瀬沼と陽希
 
 さっきまでいた「俎嵓」
「柴安嵓」のピークにはNHKスタッフが残っています。
彼らはピークごとの撮影のみで山道は帯同はしないようです。
当たり前か
レーサーについていけるわけがない。
(レーサーのカメラマンもいるらしいが)
最近は派手なポーズも平気で出来るようになれました。
登った時に見えなかった尾瀬ヶ原が見えて、本当に運が良かったです。
向こうが至仏山です。
普通は燧とセット登山にするのでしょうが、
ちっちゃなザックしか持ってこなかったし、
心の準備がないことが一番の理由で
燧ピストンです。 
これはセルフタイマーにしてはうまく撮れました。
(尾瀬ヶ原から尾瀬沼の周回は結構大変なのですよ。)
俎嵓に戻るとガスがやってきました。
NHKの人たちもガスが切れてよかったですね。
さあ、熊沢田代を通って帰りましょう。
タテヤマリンドウでよろしいでしょうか?
しべのピンクが素敵です。
また来たいと絶対に思う景色です。
いいところだ。
コバギボウシも所々で咲いていますが
旬が難しい花ですね。
キンコウカは、前尾瀬で一番最初に覚えた花です。
これも当たり前かといえば当たり前な話です。
でも、そのころは全く花に興味がない頃だったので
自分にとっては転機になった大事な花かもしれません。
大葉ではないのでコバギボウシで良いのでは?
登る時には気づいていませんでした。
御池の駐車場に戻りました。
まだまだ余裕あります。
さあ、明日の予定をどうしましょう。
まだ12時です。
①平が岳
②会津駒
③越後駒
④天気の良い方面へ転進
悩んだ末に
まずは御池ロッジの風呂に入ることにしました。(500円)

妻からの情報で
近辺の山は明日の天気は曇りのち雨。

今日みたいに早朝登山なら会津駒辺りは登れるかも、
ロングコースの平が岳は念のためやめておきましょう。
迷いに迷った末
お天気のよさそうな関東圏の山を目指すことにしました。
比較的楽そうな大菩薩嶺辺りにしましょう。

高速は渋滞がもったいないので使いません。
会津の道はすいていますし
下野の国の道路は2車線、3車線が多く、かなり飛ばせます。
(オービス大丈夫かな)
栃木のイオンで関東近辺の山の本を買い
食事をとりました。
東京の都心部に近づかないようにセットし直し
武蔵国を通り
八王子辺りで道の駅を発見!
力が尽きつつあったので歯を磨いて寝ることにしました。
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